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これまでの経緯

※この記事は、随時補足・更新をしています。
 更新履歴:2010-06-22 下記の2項目を末尾に追加しました。
      ●6月19~23日 上映予定の映画館をめぐる激しい攻防
      ●6月21日 弁護士会館でシンポ/上映予定も公開
===========================================


日本の和歌山県太地町のイルカ漁を批判した映画「ザ・コーヴ」の内容については、映画の公式サイトをご覧ください。

作品としての映画の評価については、2009年にこれが東京国際映画祭で上映された頃から様々な意見が出されてきました。

12月末には太地町漁業協同組合から弁護士を通じて配給会社に抗議文が送られています。
漁民の肖像権侵害であることや、事実誤認もあるなどの指摘がなされ、双方で書面のやりとりがなされました。漁協側は上映をやめてほしいとの主張でしたが、配給側は何とか上映はしたいとし、写されている人物にモザイクをかけたり、テロップで注釈を入れるなどする修正を行って行きました。


●2010年2月下旬 立教大上映中止事件

2月に入ってから、配給会社とは別に、「エルザ自然保護の会」などの協力により「ザ・コーヴ」はいくつかの自主上映がなされていくのですが、2月下旬に、のちの事態を先取りするような事件が、立教大学で起きました。映画の上映に反対している漁協の弁護士から大学側に抗議文が送られたのを契機に、3月6日に予定されていた立教大学主催の上映会が中止になったのです。(上映会を告知していた文書はこちら)。
この当時、2月から4月にかけて武蔵野地区などでも同様の上映会が開催されたのですが、そちらは何事もなく行われました。

●3月7日 アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞

「ザ・コーヴ」に一般の人たちが関心を持つことになったきっかけは、この映画がアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を獲得したことでしょう。
マスコミは、困惑・反発する太地町漁民の声を伝えました。実はその時点で、海外での上映は既になされていたのですが、日本の場合は、映画でターゲットにされている当事国であるだけに上映が遅れていました。ただアカデミー賞受賞はもちろん大きな追い風で、その頃からマスコミ試写も始まり、6月下旬公開へ向けて態勢が動き出しました。


●4月 映画の評価をめぐって賛否議論が噴出


マスコミ試写も順次行われ、また海外で既にDVDが販売されていたため、映画の内容については様々な人が論評を始めました。月刊『創』がこの問題に取り組んだのは4月で、森達也、綿井健陽、想田和弘さんの座談会を企画。是枝裕和さんのコメントも加えて6月号に掲載しました。
この時点で既に、太地町漁協と別に右派団体の抗議も始まっており、映画「靖国」上映中止騒動とよく似た動きに危機感を抱いたのがきっかけでした。
ちなみに森さんや想田さんらドキュメンタリー映画を作ってきた人たちの「ザ・コーヴ」についての評価は、賛否まっぷたつに分かれました。もちろん想田さんや是枝さんら、映画に批判的な人たちも、上映中止には反対でした。
上映中止問題とは別とはいえ、ドキュメンタリー映画の手法、特に取材対象と作り手の関係のとり方をめぐる議論は、重要な問題提起です。しかし、そうした本質的な議論を深める前に、外部の圧力による上映中止が相次ぐことになり、本来行うべき議論はストップしてしまいました。



●4月9日 配給会社への街宣開始


「ザ・コーヴ」を「反日映画」と批判していた「主権回復を目指す会」(西村修平代表)が、4月9日、配給会社に街宣抗議を始め、今日に至る事態の幕開けとなります。
当初、海外メディアが取材をしていましたが、当の抗議側も街宣を行っては、それをネットに次々にアップして存在を誇示していきました。街宣は配給会社だけでなく、その代表個人の自宅にも行われ、個人情報をネットで暴くという行為も行われていきました。
ちなみに彼らは、自分たちが右翼と呼ばれることを嫌うのですが、軍艦マーチをがなりたてた街宣車に戦闘服という従来の街宣右翼の行動スタイルを彼らは否定しています。また従来の市民運動のスタイルも取り入れており、新聞によっては、彼らを「草の根保守」と書くところもあります。『創』では「右翼」でなく「右派団体」という呼び方をしています。
ただ、その思想内容は「右翼」と呼ぶべきものであることは確かです。ただし、従来の右翼のメルクマールは「反共」でしたが、「主権回復を目指す会」や、街宣で共闘していく「在日特権を許さない市民の会(在特会)」などはそれと少し違う、民族排外主義とでも言うべきものが特徴で、批判の矛先は、中国や北朝鮮だけでなく、捕鯨・イルカ問題への取り組みのように欧米に対しても向けられます。ネットの活用など運動スタイルの新しさも含めて、従来の右翼と違った要素をたくさん持っているのも確かです。
今回の「ザ・コーヴ」騒動は、2年前の映画「靖国」の上映中止とよく似た展開をたどっているのですが、「靖国」は中国人が作った映画という文脈で従来の反中国の動きの延長上にありましたが、今回の「ザ・コーヴ」への抗議はそれと違った側面を持っています。
ちなみに「主権回復を目指す会」の西村代表は、映画「靖国」抗議には目立った取り組みをしておらず、その少し前に起きた「つくばみらい市」のジェンダーをめぐる集会中止事件の中心メンバーです(創出版刊『映画「靖国」上映中止をめぐる大議論』参照)。

映画「靖国」上映中止をめぐる大議論

『創』では、2004年の集英社『国が燃える』連載中止事件(2004年12月号掲載)以来、西村氏については何度か取り上げていますが、この数年間、行動派として右派陣営では注目されている人物です。

●5月 配給会社が東京地裁に仮処分申請

何度にもわたる街宣抗議を受けた配給会社は、妨害行為差し止めの仮処分を東京地裁に起こします。右派側はこれを「言論抑圧」、つまり自分たちの抗議の自由を侵害するもの、という主張を展開しますが、5月11日、地裁は配給会社の言い分を認め、街宣行動の差し止めを命じました。配給会社への直接抗議はこれを機にしばらく沈静化しますが、右派側は抗議をやめたわけではなく、映画館への直接的抗議へと戦術をエスカレートさせていきます。

●6月3、4日 ついに3館が上映中止


もともと「ザ・コーヴ」上映予定の映画館への電話による抗議は行われていたのですが、主権回復を目指す会は、6月4日にメインシアターであるシアターN渋谷の親会社である日本出版販売に街宣抗議を行うこと、5日にはもうひとつの上映予定館シネマート六本木の関連会社に街宣を行うことをネットで予告しました。映画館や親会社等に直接抗議行動が行われるという新たな段階に至ったわけです。
そしてこの事態は深刻な反応を引き起こします。シアターNは4日の街宣を怖れてか、3日夜に上映中止を決定します。そして全く同じパターンで4日夜にはシネマートも上映中止を決めます。大阪のチェーン館も上映中止となり、ついに東京・大阪の3館が中止となる事態に至ったのでした。
この段階から一斉にマスコミの報道が始まり、この事件を多くの人が知るところとなっていきます。東京・大阪のメインシアターが中止となったことは、上映に深刻な打撃を与えました。
東京では6月26日公開を予定していたのですが、結局、東京での上映は白紙になってしまったわけです。

●6月9日 上映中止に反対する集会

もともと『創』編集部では6月9日に上映とシンポジウムを行うことを決めていたのですが、直前に上映中止が相次いだため、7日頃から問い合わせが殺到する事態となりました。
4日に上映中止の映画館が出てすぐに、こういう動きに反対する緊急アピールを起草、言論表現に関わる人たちを対象に賛同人を募り始めました。このアピールと賛同人61人の名前は9日の集会で発表しました(アピールの全文はこちら)。
9日の〈映画「ザ・コーヴ」の上映とシンポジウム〉は定員550人をはるかに上回る人たちが詰めかけて開催されました。開場前から長蛇の列ができ、入りきれない方のうち60人はロビーでモニターを見ましたが、それでも入りきれなかった方もいました。
上映中止を求める側の抗議行動も予想されたために、主催者側も一定の警備体制をとりましたが、結局、右派団体側は一部のメンバーが「上映中止」を求めるチラシをまいただけでした。言論表現の自由を主張する立場の集会ですから、それに抗議する自由も認めるのは当然で、主催側としては彼らがロビー内でチラシをまくことも認め、ただ暴力行為はやめてほしいと要請しました。
マスコミ取材もほぼ各社が入り、この集会については新聞・テレビで様々に報道されました。当日来れなかった方からも『創』にたくさんのメールや電話が寄せられました。

●6月12日 横浜の映画館に街宣抗議

東京・大阪の3館が上映中止した後、他の全国の映画館にも上映中止を求める抗議の電話がかけられました。首都圏で唯一残った「横浜ニューテアトル」には、電話だけでなく街宣を行うとの予告がなされました。東京の映画館はこの予告だけで中止を決めたのですが、横浜はそれに屈することなく予定通り上映するとの姿勢をとり、6月12日に実際に街宣が行われました。
約30人が横断幕や日章旗などを掲げて映画館街の前に集まり、約30分にわたって大音量で上映批判を繰り広げたのです。その間、映画館の長谷川支配人は臆することなくこれに対峙しました。また、『創』執筆者の鈴木邦男さんが「君たちのやっていることは弱い者いじめの営業妨害じゃないか」と主張して論戦を挑み、一事は現場でもみあいとなって警官隊が割って入る事態となりました。
横浜ニューテアトルは、映画「靖国」の時に右翼の街宣抗議を30回も受けて上映中止を決めたのですが、それへの反省が今回のがんばりにつながっています。
街宣が何度も行われると映画館が相当の打撃を受けるのは明らかですが、一方で、地元の市民メディア・横浜ポートサイドステーションが上映中止に反対する立場からネットで報道したり、一般市民が「恥ずべきは上映妨害」というボードを掲げるなど、上映中止を憂える声も高まり始めました。
実際、マスコミが大きく報道し始めたのを受けて、上映予定の映画館には激励の電話もたくさんかかっています。

●6月15日 日本ペンクラブ声明、16日に日弁連会長談話

6月15日、日本ペンクラブが上映中止に反対する声明を、そして16日には日弁連会長が談話を発表しました。ちょうど17日に予定されていた学内での上映会を明治大学が中止したことが14日に報道されたため、ペンクラブの声明ではそのことにも触れ、萎縮をしないよう呼びかけました。
14日付の朝日新聞は「ザ・コーヴ 自由社会は見過ごせない」という社説を掲載。上映中止反対の声は急激に広がっています。一方の右派団体の動きも活発で、16日には朝日新聞社への街宣も行われました。

●6月19~23日 上映予定の映画館をめぐる激しい攻防

その後も上映予定の映画館には、中止を求める電話と激励の電話が数多くかかっています。特に21日に新たな上映予定が発表され、一覧が公式サイトにアップされてからは、全国の映画館に上映を支持する電話がかかっています。
この間、19日には大阪の第七芸術劇場に街宣予告が行われていたのですが、どうも活動家の本隊が来れなかったらしくて、ネットで集まった数人がビラをまいただけだったとのことでした。
ただ、気になるのは攻防の最前線である横浜ニューテアトルで、21日、「主権回復を目指す会」とは全く別の既存の右翼団体の街宣が行われたこと。2台の街宣車の車体には、黒いバンに「全公連」、白いバンに「尊皇愛国心」の文字。上映中止を求める抗議文は「政治結社 義信塾」とありました。
「ザ・コーヴ」について既存の右翼団体が動いたのはこれが初めてですが、もともと横浜は「南京1937」の事件以来、右翼団体のこうした抗議の活発なところ。横浜ニューテアトルは、映画「靖国」でも30回の街宣をかけられています。
さらに21日に新たに東京での上映を発表したシアターイメージフォーラムにはさっそく23日に「主権回復を目指す会」が街宣をかけることを予告しています。

●6月21日 弁護士会館でシンポ/上映予定も公開

これは別に報告記をアップしたのでご覧ください。
7月3日から新たな体制で全国公開を展開することも発表されました。既に全滅だった東京も、新たな映画館は名乗りを上げました。このシンポには田原総一朗さんと崔洋一さんも駆けつけ、おおいに盛り上がりました。

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コメント

上映中止の観点は二つ

騒ぎが騒ぎなので、どうしても「主権回復を目指す会」の主張の大きさに対抗して、上映中止反対の動きも大きくなってしまいがちですが、本来、上映中止の声というのは大きく「人権侵害」と「反日映画」の二つあります。

「主権回復」の主張する「反日映画」だから上映を阻止するというのは、やっていることが保守というよりは、中国共産党がやっていることと似通っているので、粉砕することに何も問題はないと思うのですが、その騒ぎで、人権に対する懸念がどこかに行ってしまうのが残念です。

「主権回復」は、本来日本国内で運動をするのではなく、海外の映画館前で活動をするべき抗議の内容なのに、なぜ海外で運動をしないのかが、非常に滑稽です。

卑劣な隠蔽

ここのブログでもシーシェパードとの関連性はいっさい黙殺していますね!
創も映画秘法もそうですが。マスコミも上映推進派もなぜ隠すのでしょうか?

混乱した日本人

OPS(海洋資源保護協会)とシーシェパードが混同されていて非常に残念に思います。

事実歪曲するテロ支援者

シーシェパードのHPに書いてあるんですがね!
後オバリも元シーシェパードだろ。
歪曲やめろ!

矛盾

シーシェパードのような団体が言っていることを全部信じるのも考えものですが。

それにシーシェパードが出てると上映しちゃいけないんですか?
右翼が発言していいのだったら、シーシェパードだってもの言っていいはず。
はっきり言って同列に感じるのですが。

教えてください。

一連のご意見拝読いたしました。言論の自由、表現の自由を死守しなければならないこと、それには賛成です。

ところで、6月9日のシンポでもお話に出てきましたが、漁師らの肖像権についてはどうお考えなのでしょうか。
日本国内だけでモザイクをかければそれでもう問題は完全に解決ですか?

また、Wikiの「ザ・コーヴ」にプレイボーイの記事からの引用が載っており、それを読むと撮影手法そのものが「詐欺」(つまり犯罪)に近いのではと私には思われます。(プレイボーイの記事など100%信用できんとお思いかもしれませんが)

こうした漁師ら(国家権力ではありません。市井の人びとです)の人権を侵害しているうえで成り立っている可能性がある作品でも、言論・表現の自由のためには、やはり無条件で上映しなければなりませんか。人権を侵害された側に上映をやめてほしいと言われたらどうなさいますか?

この点については一切言及されておられないようですので、ぜひご意見をお聞かせください。

※私は個人的にはイルカ漁そのものに反対の立場の者です。街宣車の連中とは一切関係ありません。

>マゾー さん
それはtamagawaboatという「主権回復会」の人が発したデマです。シーシェパードのHPに書いてあることが1だとすると、彼はそれに4の臆測を交えて書いています。

私は、(1)シーシェパードのHP(2)tamagawaboat氏記事(3)リックオバリー氏インタビューの全てに目を通しています。

あなたも宣伝を真に受けないで資料をきちんとお読みなった方がいいですよ。

tamagawaboatビラを全面的に批判

>>マゾーさん
>>ナゾーさん

「ザ・コーヴ」はシーシェパードが作った映画だという西村修平氏の「主権回復めざす会」の誤謬を、徹底的に指摘しましたので、お読みくだされば幸です。
■『ザ・コーヴ』妨害ビラに、チョット待った!50連発(1/2)
http://ni0615.iza.ne.jp/blog/entry/1692751/
■『ザ・コーヴ』妨害ビラに、チョット待った!50連発(2/2)
http://ni0615.iza.ne.jp/blog/entry/1693250/

これらは、西村修平氏の街頭演説や声明文など、全てのネタ元となっているtamagawaboat氏製作のビラを全面的に批判したものです。私に対する資料に基づいた反論を歓迎します。

tamagawaboat氏製作のデマビラは、7月11日横浜ニューテアトル前での「槇やすとも」氏呼びかけの上映妨害活動でも撒かれました。
■『ザ・コーヴ』 警察公安にお膳立てされた?槇の街宣
http://ni0615.iza.ne.jp/blog/entry/1694918/

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